【登山】日本最高所のロープウェイで空中散歩! 秋の千畳敷カールを満喫しながらのんびりと木曽駒ヶ岳を歩く。【宝剣岳・木曽駒ヶ岳】
木曽駒ヶ岳は長野県上松町・木曽町・宮田村の境界に聳える標高2,956mの山で、木曽山脈の最高峰。
日本百名山にも選定されている。
駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅は、ロープウェイの駅としては日本最高所に位置する。
ホテル千畳敷がそのロープウェイの終点にある。
ロープウェイは通年運行であるため、手軽に3,000m級の景観を堪能できる山として四季を通じて千畳敷に観光客が訪れる。
今回の行程
10月中旬・登山隊2名での山行。
前回空木岳縦走の際に、生憎の天候と極度の疲労のため極楽平分岐点で千畳敷にエスケープしたので木曽駒ヶ岳の頂を踏み損ねたので今回はリベンジである。
今回はロープウェイを使用して宝剣岳・木曽駒ヶ岳のみなのでかなり楽な行程である。
行程が楽な分食事も肉や野菜など重量のある物も持参して山友達と2人で標高3,000mでの宴会を計画することになった。
前回エスケープした時の記録はこちら。
アプローチ
金曜の夜終業後中央道を飛ばし1:00菅の台BC駐車場着。
3時間仮眠を取って4:00起床。
4:45予約していたタクシーに乗り込む。
ロープウェイ始発のしらび平駅までは一般車両進入禁止なので林道バスかタクシーしか入れない。
バスの始発は5:00であり4:00前からバス停には長蛇の列が並ぶ。
筆者たちは事前にタクシーを4:45に予約してバス始発より早くしらび平駅に到着するというプランにしたがこれは本当におすすめだ。
この方法を利用する場合、当日タクシーは絶対につ構わないので何日か前に電話予約を忘れずにすること。
千畳敷~宝剣岳
1番手でロープウェイに乗り込み千畳敷駅まで2,600mを一気に上がる。
千畳敷に着いた数分後に丁度日の出を迎える。
秋の紅葉ハイシーズン。
御来光を受ける千畳敷カール。
素晴らしい景色だ。
しばらくこの絶景を堪能してから登山を開始する。
本日はコースタイム4:30というショートコース。
極楽平経由で宝剣岳~中岳~木曽駒ヶ岳という西駒コースだ。
この立派な山々を4時間で堪能できるというのは標高1,662m~2,612mまで10分で上がってしまうロープウェイがあるからだ。
通常なら2600mまで登るのに1日使うから本当に便利だ。
今回は宴会登山の為、各種お酒やらキムチ鍋の材料一式、ツマミ多々、ソーセージ野菜炒め材料などなどいつものテント装備以外にもたっぷり食材を持ってきている。
こんな無茶出来るのもロープウェイのお蔭である(笑)。
しかし本当に素晴らしい景色だ。
初秋の千畳敷は登山家以外の方にも是非一度訪れて欲しい。
秋晴れに恵まれ本当に幸せだ。
前回が地獄だっただけに(笑)。
40分弱で極楽平分岐へ到着。
前回空木岳方面から歩いてきて、ここで宝剣岳をエスケープして千畳敷へ降りたのだ。
そのためここから先は初歩き。
否が応にもテンションが上がる。
まず今回のコースの核心部と思われる宝剣岳だ。
1時間ほどで登れる岩峰だが、そこそこ険しい岩登りとなっており油断はできない。
特に今回は17kgを超えるザックを背負って登るので慎重に登るべきだろう。
相棒は岩登り系の山道は初めてなので、筆者は後ろからアドバイスをする。
最初はかなりビビっていたが、だんだん慣れてきたようだ。
多少危険な岩場でも、鎖をしっかりと握っていれば落ちることはまずない。
鎖がない場所ではは三点支持などの基本を忘れずに登るのが大切。
「落ちたら死ぬますね…」を連呼する相棒。
まぁそりゃここから落ちたら無事では済まないね(笑)。
途中で先頭を交代して、筆者と同じように登るように指示。
かなり登ってきたので高度感が心地良い。
あと少しで山頂だ。がんばれ!
宝剣岳2,931m登頂。
360℃見渡せる絶景に感動。
宝剣岳~頂上山頂
記念撮影をして山頂で10分ほど他の登山者たちと会話を楽しんだら反対側へ下山開始。
この時、相棒が何気なく言った「山の人達ってみんな良い人ばかりですね」という一言が心に沁みて忘れられない(笑)。
さて、降りは来た時より楽な道だけど危険ではある。
気を抜かないように歩こう。
岩って登りより下りの方が怖いよね。
特に荷物が重い時は疲れるしね。
なんとか宝剣岳クリア!
宝剣岳を超えるとすぐに宝剣山荘がある。
この先にある西駒唯一の幕営場所である頂上山荘は、この時期既に小屋仕舞いとなっている。
テン場は使えるけど、食材などの販売はしてもらえない。
水場はあるにはあるがこの季節枯れてる可能性もあるらしい。
そこでまだまだ営業してる宝剣山荘にてビールを購入。
水もここで確保する。
2人でビール350mlを8本、水を6ℓ確保。
ビール買いすぎだろう(笑)。
幕営代を2幕分払い宝剣山荘を後にする。
ここから中岳へは20分だ。
中岳山頂を経由しないで向こう側山頂小屋に出る巻き道がある。
この巻き道が危険となっていて面白そうだが中岳山頂は踏みたいので明日の帰りに通ってみよう。
中岳2,925m登頂。
そのまま休まず頂上山荘を目指す。
そこからは数分歩いただけですぐに頂上山荘へと辿り着いた。
今宵の幕営地だ。
幕営完了。
やっと重い荷物から解放される。
標高2,870mにあるテン場。
石で風防が建てられており吹きっ晒しを防ぐ。
地面も平らでペグもサクッと刺さる。
景観も最高でトイレも洋式で綺麗。
なかなか良いテン場だ。
駒ヶ岳登頂&山宴会
頂上山荘から駒ヶ岳までは往復35分。
木曽駒ヶ岳2,956m登頂。
この景色を見て欲しい!
天候に恵まれて、最高の秋景色を堪能できた。
しばらく山頂で会話を楽しんだり写真撮影を行っていたが、ビールが待ちきれなくなりテントまで戻ることに(笑)。
キムチ鍋に野菜ソーセージ炒め!
その他諸々のツマミと共に、標高のため常温でもキンキンに冷えているビールで乾杯!
最高のひととき(笑)。
しかしまだまだお昼前。
陽が暮れるまで延々と呑んだくれる我々。
幸せすぎる…。
だんだん西の空が赤みを帯びてきた。
夕暮れは美しいのだが、途端に冷え込んできた。
3,000mでの10月中旬は陽が暮れると地上の真冬並みの寒さになる。
そそくさとテントに撤収して就寝したが夜中寒くて何度か目を覚ました。
ヒートテック、ロンT、ネルシャツ、フリースを着込んで対応外気温-10℃(快適外気温0℃)のシェラフに包まったがそれでも寒かった。
外は-5℃以下くらいだったと思われる。
起床~下山
AM5:30起床。
珈琲沸かして御来光観ながら飲む。
朝飯を済ませテント撤収。
6:30出発。
帰りは中岳の巻き道を通ってることに。
「危険」となっていたが大したことはないと感じた。
景色もよいので、こちらのコースもおすすめ。
宝剣山荘を通過し、あとは千畳敷までゆっくり散歩のようなもの。
AM7:30。
千畳敷駅に到着。
紅葉に染まる千畳敷カールを観納めたらロープウェイで下山だ。
この時間の下りロープウェイは待ち時間も無く込み合いもせず快適。
降りてから森林バスへの乗り換えもスムーズであり、AM8:30には菅の台バスBCに戻ってこれた。
最高の紅葉を晴天の下、満喫できた良い登山だった。
いつも過酷な山行ばかりやっているので、たまにこういうゆるい登山も良いものだ。
今回は『木曽駒ヶ岳・宴会登山』レポでした。