【登山】国内標高第2位と第4位の山をテント担いで縦走。 南アルプスの名峰、北岳と間ノ岳の登山記録!(前篇)
広河原~白根御池~肩ノ小屋~北岳~北岳山荘(1泊)~間ノ岳~八本歯のコル~左俣コース~広河原
9月下旬、秋の始まりの北岳~間ノ岳の縦走記録
単独行
標高3193mの北岳は富士山に次ぐ日本標高第2位の山である
標高3189mの間ノ岳は奥穂高岳と並び日本第4位の山である(現在は奥穂高岳と並び3位とされている)
今回は1泊2日でこの二座を制覇する計画だ
アプローチ
三連休だというのに台風の影響で雨
しかし2日目が「曇り時々晴れ」という天気予報を信じて気合で入山
今回は南アルプス単独縦走
北岳~間ノ岳
日本標高第二位と第四位を踏襲してきます
雨の中20時に家を出発して標高1500mにある「南アルプス市営芦安駐車場」に到着
ここから広河原登山口までは車で1時間ほどだが、自然保護の為マイカー規制になっている
その為この駐車場にマイカーを停め、ここからバスか乗り合いタクシーにて広河原まで向かう
朝5:10始発、バスは1000円、タクシーは1100円(共に内100円は自然保護協力金)
第8駐車場&臨時駐車場まであるけどバス乗り場、乗り合いタクシー乗り場は”第二駐車場”か”第三駐車場”が近い
ここ以外はバス乗り場までかなり歩くのでできればどちらかに駐車したい
しかしシーズン中だとすぐ満車になるのでやはり前入りして車中泊がお勧め
今回の山行行程
贅沢にも日本百名山であるふたつの頂の踏襲が今回の山行の目的である
初日に北岳にアタックし、その後北岳山荘にテントを張り1泊
翌日は間ノ岳にアタックし、これを蹴破したら広河原まで下山の1泊2日の行程
初日は雨の中の山行となるので景観も期待できず、危険が予想される
2日目に晴れることを祈りつつの登山となった
広河原~白根御池
AM4時起床
相変わらず雨が降っているがせっかくなので登る事を決意
嫁の作ってくれた弁当を朝飯として食べ、登山準備を整える
AM5時
真っ暗な中始発の乗り合いタクシーに搭乗
1時間弱車に揺られながら広河原へ向かう
広河原到着
雨だというのに結構な人数の登山者がいる
もの好きな事だ
筆者も人の事は言えないが
AM6:15
ギシギシと揺れる吊り橋を渡り行程開始
麓の広河原山荘を抜ける
帰りのバス&タクシーが16時(シーズン中は17時)で最終なので、それまでに降りれなかったらこちらの山荘ににお世話になる事になる
雨の中カッパにザックカバーと万全の雨天高装備で登って行く
大樺沢/白根御池の分岐
大樺沢ルートは先日の台風の影響で通行不可
事前に調べてたので知っていたが、大樺沢ルート、八本歯のコルルートという最速のコースが通行できないという事
その為今日は白根御池から草スベリコースで北岳経由で北岳山荘まで行かなければならない
初日の行程のコースタイムは8:20
今回荷重が18kgになったのでそれを担いで雨の中この行程は結構大変だ
頑張って歩くとしますか
いきなり物凄い急坂が続く
2時間半ずっとこの急坂だ
ザックは重いし、景色は悪いしで初っ端から心が折られる
悪天候で歩きにくい中ザックが肩に食い込んで辛い
この2時間の登りは過去の急坂の中でもかなりのキツさであった
脚と共にストックを持つ両腕までかなりの疲労を感じる
最初の休憩地点である「白根御池小屋」まで残り30分
見えますか?看板に手書きで書かれた「急登ここまで」の文字!
嬉しいです、癒されます(笑)
看板にあった通りここからは緩やかな登り道となる
今までの急登と比べるとまるで天国の様な登山道
シトシトと降る雨音と自分の吐息だけが聴こえる静かな世界
20分ほどで白根御池小屋に到着
相変わらず雨は降り続いている
ここはテント場となっているが幕営地にはテントが一幕だけ…
この天候じゃ仕方ないよね
広河原からもう700mも登ってきたのか
とりあえずザックを降ろし休憩
小屋でジュースを買って腰を下ろす
ナッツ類とドライフルーツ類を混ぜ合わせた行動食で体力回復を図る
白根御池~肩ノ小屋
15分ほど休憩したら出発
ここからは「草スベリ」コースという、有名な心臓破りの急坂を3時間ほど登る
正直もうしんどい
カッパの中は汗でびしょ濡れだ
かなりの汗を掻いてる
「草スベリ」とはよく言ったものだ
まさに草の中を滑るように歩いて行く
雨の影響もあり足元に注意しないとすぐに滑って転びそうだ
しかしこの登りも噂に違わず本当にキツイ
永遠かと思われる急坂が続く
小太郎尾根分岐
肩ノ小屋まで30分
かなり疲労を感じてきた
お腹も空いてきた
小屋に着いたら昼飯を食べよう
11:30肩ノ小屋到着
雨に加えて霧がかなり濃くなってきている
キツくても景色が見られれば歩く元気が出ると言うものだがこの悪天候だと全く何も見えない
もうこれは完全に苦行である
こんな天候であったが小屋の中は団体客で賑わっていた
筆者同様明日晴れるのを期待しての登山であろうか
とにかくお腹がペコペコなのでさっそくカレーを注文する
カレーを食べながら地図を出してスケジュール調整
確認するとコースタイムより1:15早いペースだ
この調子なら14時頃には北岳山荘に到着して本日の行程を完了できるかもしれない
お腹も膨れたらいよいよ名峰北岳へアタックだ!
北岳アタック
肩ノ小屋でお腹を満たしたら北岳山頂目指して再び歩き出す
天候はさらに悪化
雨も強くなりガスも濃くなった
数m先すら見えない
カメラもびしょ濡れでレンズが濡れて写真撮影もままならない
濃い霧の為視界が著しく悪い
流石に登山者も少ない
命の危険を感じる
踏み外しと道迷いだけはしないように慎重に歩く
慎重に登っていきやっとの事で北岳登頂です!
3193m
富士山に次いで日本標高第2位の頂きを踏襲しました!
せっかくの山頂だがこの天候の為、筆者の他に3名ほどしか居なかった
展望もまったく開けてなく残念
晴れていれば絶景が拝めたのになぁ
頂上で10分ほど他の登山者と話してすぐに先へ進む事にする
ここから間ノ岳へと続く稜線の途中にある北岳山荘
そこのテン場が本日の就寝場である
雨の中慎重に降っていく
流石に足が疲れて歩みが遅くなっているのが自分でも分かる
ザックの重みもそれに輪をかけている
早くテント場について寝袋に包まりながら寝たい
日本一の稜線と名高い北岳/間ノ岳の稜線なのだが
ガスの為まったくもって残念である
ガスの切れ目にちらりと見えるあの赤い屋根が北岳山荘だ
北岳山荘到着
14:00北岳山荘到着
本日の行程これにて終了
もうヘトヘトだ
幕営料金は一幕600円也
水場は往復90分の場所にあるが山荘ではポンプで汲み上げている
汲み上げた水は1ℓ100円で購入できる
90分歩けば無料で汲めるがそんな人は居ない(笑)
ビールやツマミも販売されている
本来富士山が観える稜線上のテン場で人気のため大賑わいのはずなのだが
流石にこの天候では筆者のを含めテントは三張りのみ…
荷物を濡らさないようにしながらチャッチャと設営
稜線上なので突風でテントが飛ばされる事のないようにいつもよりしっかりペグを差し込み張り綱を張る
濡れた衣服をテントの中で干して、山荘でビールを調達してくる
お疲れ様!
本日の行程は全て終了!
これから独り呑み会を開始します
棒ラーメンに玉子とシナチクを入れた特製ラーメンを食す
呑みながら山岳地図に付いてる山の本を読む
自分が実際に今いる山のあれこれが綴られていて読むのが楽しい
テントに当たる雨音を聞きながらビールを呑み、本を読む
時折テントの中から外を覗くが天候は良くならない
よし、今日は飯食って早めに寝るか
明日は晴れるかな?
と言うか晴れてくれなきゃ散々だけど(笑)
そんな事を考えながら、昼間の疲れが一気に出て寝袋の中で深い眠りに落ちるのであった
今回は『北岳~間ノ岳縦走(前篇)』レポの紹介でした
後篇へ続きます