【夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者】ファン待望の劇場版第2弾は二話構成のオムニバス形式。信じてくれる、誰かのために──。【映画レビュー】

 

2021年1月16日より『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』が公開されました。

劇場版第二弾となる今作は「石起こし」と「怪しき来訪者」の二話構成。

上映時間は51分となっている。

 

原作:緑川ゆき

総監督:大森貴弘

監督:伊藤秀樹

脚本:村井さだゆき

 

 

夏目友人帳、待望の劇場版第二弾

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『夏目友人帳』は緑川ゆきによる漫画である。

子供の頃から妖(あやかし)が見える体質の主人公・夏目貴志が妖怪たちと出会い、触れ合うことにより、本来交わらないはずだった人と妖の素朴で繊細な心の機微を描く作品となっている。

2008年にアニメ化された本作は、現在第6期まで放送されているロングシリーズとなり、2018年9月には待望の長編オリジナルエピソードである『劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ』も公開された。

この劇場版は動員数・興行収入・初日満足度ランキングにおいて第1位、興収9億、動員数60万人を超える大ヒットを記録した。

劇場版第2弾である本作は、ファンに人気の原作エピソードである「石起こし」と「怪しき来訪者」をTV版に倣い1話25分ほどの短編エピソードとしてアニメ化、2話構成でのオムニバス形式となっている。

ストーリー


「夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者」本予告トレーラー

 

石起こし

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とある昼下がり、夏目はここ数日姿を見せないニャンコ先生を探しに八ツ原の森中まで来ていた。

森の中で出会った小さな妖怪・ミツミは、祠で眠る妖怪・岩鉄を起こす“石起こし”の役を任されていた。

しかし岩鉄を起こした者に振る舞われるという褒美の美酒をめぐって他の妖怪たちが役目を横取りしようとミツミの持つ“岩鉄の眠る祠の地図”を奪うため動き出す。

なんと美酒の誘惑に目が眩んだニャンコ先生までもが、その地図争奪戦に参戦し、八ツ原の森は妖怪たちのお祭り騒ぎへとなってゆく。

 

 

怪しき来訪者

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ある日の放課後、夏目と西村は田沼を映画に誘うが、来客を理由に断られてしまう。

その直後、夏目は田沼が誰かと話している姿を目にし、不思議と胸騒ぎがした。

田沼のもとに現れた不思議な来訪者。

毎日のように訪ねて来ては、少しだけ話をして帰っていく。

夏目はその正体が妖怪だと知り心配するが、田沼は妖怪との交流を楽しむようになっていた。

妖怪に悪気はないようだが、田沼の体調は徐々に悪くなっていく…。

 

感想

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筆者は第1期から視聴している本シリーズのファンである。

『夏目友人帳』は他の作品では味わえない類の切なさと優しさを感じられる素晴らしさがあり、毎回心が満たされるような感覚がとても好きだ。

今作もその期待に見事に答えてくれている内容であり、満足のいく物語であった。

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『石起こし』はレギュラー妖怪勢揃い的なドタバタ騒動なお話。

妖怪たちのやりとりにくすりと笑わされることも多い。

そんな中、夏目とニャンコ先生の絆を改めて尊いものだと感じさせられるシーンもある。

うまく言えないが”夏目友人帳らしさ”が詰まったエピソードだと感じた。

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『怪しき来訪者』はシリーズでは準レギュラーポジションである妖の三篠の知られざる過去が新エピソードで明かされることになる。

その思い出が切なく、美しく、優しい物語である。

またひとり『夏目友人帳』に推しキャラが増えてしまった(笑)。

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ただひとつ残念な点を挙げると、今回の劇場版は前回のオリジナル長編エピソードとは違い、TV版のような短編エピソードを2話構成にした内容となっているが、これだとお金を払って劇場まで観にいくワクワク感が少し足りない。

短編エピソードのみなのであれば、TVアニメ第7期を制作してくれた方が嬉しい気もしてしまう。

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個人的な希望としては、劇場版第三弾はもう一度オリジナル長編エピソードが制作される事を望む。

とは言え、このシリーズの大ファンである筆者は短編エピソードであっても劇場に必ず足を運ぶことは間違いないのだが(笑)。

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