【PSYCHO-PASS SS Case.2 First Guardian】正義は、歪んだ世界を照らす。【映画レビュー】
2019年2月15日よりアニメ「PSYCHO-PASS」の新劇場版三部作第2弾「PSYCHO-PASS SS Case.2 First Guardian」が全国公開されました。
第二弾は国防軍に所属する「須郷徹平」と執行官「征陸智巳」にスポットを当て、軍の陰謀と人間ドラマを中心としたストーリーとなっている。
PSYCHO-PASSとは
近未来の日本、人間の心理状態、性格的傾向を数値化し、管理するシビュラシステムが運用を開始。
人々はこの数値を「PSYCHO-PASS(サイコパス)」と通称し、理想的な人生を送るための指標とした…
『PSYCHO-PASS』は、「未来社会において正義のあり方に葛藤する刑事たちのドラマ」をコンセプトとした新感覚SF作品として誕生。濃厚な物語と映像世界で幅広い視聴者を魅了し、2012年にTV放送一期、2014年にTV放送二期、2015年には劇場版公開され、いずれも大ヒットを記録した。
PSYCHO-PASS SS
2019年、劇場での3作品連続公開となる「Next Project」が始動。
<Sinners of System>="システムによって、罪人とされた人たち・その物語"をタイトルの意味に込めつつ、それぞれに焦点を当てる人物を変えることで、シリーズの新たな可能性を提示する。
制作にはシリーズの主要クリエイターが再集結。全3作のストーリー原案・監督は塩沢直義、アニメーション制作はProduction I.Gが担当するほか、「Case.2 First Guardian」ではTVシリーズ第1期、劇場版に続き深見真が脚本を担当。
須郷徹平と征陸智巳を中心とした人間ドラマを、ときにシビアに、ときに繊細に描き出す。2112年、国防軍に所属する須郷は、<フットスタンプ>作戦の裏にある陰謀に巻き込まれ、あまりに重い業を背負わされる。そんな彼が、ベテラン執行官・征陸智巳の背中に見たものとは…。
ストーリー
『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』 予告編
常守朱が刑事課一係に所属される数ヶ月前、2112年の夏。
国防軍のドローンパイロットとして沖縄の名護基地に勤務する須郷徹平は、SEAUn政府軍を支援し、対立する軍閥組織の勢力を削ぐ事。
先輩の大友逸樹と彼が率いる特殊部隊を上空から支援する須郷だったが、作戦の失敗により部隊は全滅。大友は行方不明となり、事実上の戦死とみなされる。
その三ヶ月後、謎の武装ドローンが東京国防省ビルを襲撃し、多くの省庁関係者が死傷する事件が発生。
捜査のため名護基地を訪れた刑事一家の執行官・征陸智巳は、襲撃事件における共犯の容疑で須郷に接触するが…。
登場人物
物語の序盤とエンディングだけは2117年での話だが、本編の中心は常守朱が赴任する1年前の2112年で展開する。
2112年
須郷徹平:CV東地宏樹
国防省第15統合任務部隊・ドローン部隊所属操縦士、階級は大尉。
特殊部隊を上空より支援する任務のドローンパイロット。
部隊内では若手エースと呼ばれているが、生真面目な性格から驕る事なく職務に励んでいる。
のちに厚生省公安局の執行官となる。
征陸智巳:CV有本欽隆
厚生省公安局刑事課一係の執行官。
いくつもの事件を解決してきた筋金入りの刑事。
シビュラシステム本格稼動後は、多くの刑事がそうであったように潜在犯認定され、執行官として生きることを決める。
一係監視官・宜野座伸元の実父。
青柳璃彩:CV浅野真澄
厚生省公安局刑事課二係の監視官。
宜野座伸元や狡噛慎也とは監視官時代の同期であり、旧知の仲。
刑事としての征陸を高く買っている。
大友逸樹:CVてらそままさき
国防軍第15統合任務部隊・現地情報収集班隊長、階級は大佐。
直接現地に潜入する破壊工作・電子戦・諜報活動を主な任務としている。
仕事にはシビアな姿勢を持つが人格者であり、須郷も憧れ慕っている。極秘任務である<フットスタンプ>作戦中、行方不明となる。
大友燐:CV大原さやか
国防軍第15統合任務部隊・ドローン部隊オペレーター。
須郷とは訓練時代からの同期。
夫である大友逸樹が行方不明になり、体調を崩し除隊した。
狡噛慎也:CV関智一
厚生省公安局刑事課一係の執行官。
優秀な監視官だったがある事件で部下を失い色相が悪化、規定値を超過し執行官に降格した。
宜野座伸元:CV野島健児
厚生省公安局刑事課一係の監視官。
少年期、父の征陸が潜在犯認定されたことがきっかけで地震と母親も差別的な扱いを受ける。
父を憎み、執行官と監視官の立場を厳格に分けて接している。
縢秀星:CV石田彰
厚生省公安局刑事課一係の執行官。
わずか5歳で潜在犯として認定、施設に隔離されたのちシビュラにより選ばれ執行官となった。
快楽主義者のようで、仲間思いな一面もある。
2117年
花城フレデリカ:CV本田貴子
厚生省公安局刑事課一係の監視官補佐。
省庁間人事交流により外務省から出向してきた。
須郷徹平:CV東地宏樹
厚生省公安局刑事課一係の執行官。
元国軍所属で、ドローンへの深い知識と高い射撃の腕を持つ。
生真面目な性格。
常守朱:CV花澤香菜
厚生省公安局刑事課一係の監視官。
数多くのの事件を経験し、今では指揮を執る立場として一係をまとめている。
確固たる正義感と、色相が濁りにくい頑強な精神を持つ。
霜月美佳:CV佐倉綾音
厚生省公安局刑事課一係の監視官。
シビュラを心から信奉し、犯罪を未然に防ぐことが絶対的な正義だと思っている。
宜野座伸元:CV野島健児
厚生省公安局刑事課一係の執行官。
頭脳明晰で鋭い観察眼を持つ。
元はエリート監視官だったが、犯罪係数の悪化に伴い執行官へ降格。
事件捜査中に殉職した父・征陸のように、執行官として刑事を続けることを決意した。
感想
ストーリー原案・監督:塩谷直義
脚本:深見真
「Case.1 罪と罰」はTV版のあとの時代の話だったが、「Case.2 First Guardian」はTV版の1年前が舞台となっています。
まだ犯罪係数が正常値であった宜野座伸元が監視官として、狡噛慎也と縢秀星の2人の執行官を伴い捜査に当たっている場面は懐かしく感じます。
征陸智巳と縢秀星が1期で、青柳璃彩が2期でそれぞれ殉職することを思うとまた目頭が熱くなります。
青柳に関してはまさかの須郷に執行されるのには何か運命的なものを感じました。
沖縄の地での昔ながらの刑事さながらに、足を使っての聞き込み、駆け引きを含めた事情聴取で捜査を進める征陸智巳。迫力の銃撃戦&格闘戦。そしてまさかの真犯人と物語の意外な結末に楽しめること間違いありません。
今回も実に“PSYCHO-PASSらしい”文句なしの素晴らしい映画でした。
「Case.2 First Guardian」は軍の陰謀とシリアスな人間関係が主軸となる物語でした。
征陸智巳の家族への深い愛と刑事という仕事への揺るぎない信念は観ている者の心を揺さぶることでしょう。
征陸智巳のCVを担当していた有本欽隆氏は2019年2月1日に他界されました。
このPSYCHO-PASSの征陸智巳が遺作となってしまいましたが、有本欽隆氏のいぶし銀の名演技は本当に素晴らしいものでした。
ご冥福をお祈りいたします。
「Case.1」「Case.2」と大満足の完成度でありましたが、いよいよ3月8日にはSSシリーズ最終話となる「狡噛慎也」を主軸とした物語『Case.3 恩讐の彼方に…。』が公開されます。
もちろん劇場にて鑑賞する予定で、今から楽しみで仕方ありません。
今回は『PSYCHO-PASS SS Case.2 First Guardian』の紹介でした。