【登山】国内の3,000m級としては最も西に位置する百名山。噴火の前年、2013年の残雪期の御嶽山登山レポート。

f:id:zel_8bit:20180701195707j:plain

 

おんたけ2240スキー場~三笠山~王滝~剣ヶ峰~三笠の森駅

 

残雪期の御嶽山の登山記録

単独行 

日本百名山のひとつであり、標高3067mは日本第12位

大きな裾野を広げる独立峰である

御嶽山は山岳信仰の霊山である

教派神道の一つ御嶽教の信仰の対象とされており、最高点の剣ヶ峰には大己貴尊とえびす様を祀った御嶽神社奥社がある

 

 

2014年の御嶽山噴火

f:id:zel_8bit:20180701205450j:plain

2014年に発生した噴火災害は戦後最悪の規模であり、犠牲者58名、行方不明者5名を出しました

本記事はその1年前、2013年の4月の事です

この噴火は今思い出しても痛ましい災害事故でした

犠牲になられた方々のご冥福を心よりお祈り致します

現在は未だ噴火口から1kmは立入禁止区域となっております

最高峰地点である剣ヶ峰山頂の御嶽神社山頂奥社には行けません(2018年7月現在)

これより先は2013年に書き留めた文章です。

 

アプローチ

おんたけ2240スキー場の駐車場車にて前日の夜に入り車中泊

中央道伊那ICからは県道で90分ほど走らなければならない

しかしリゾート地である為道路は整備されており迷う事もないだろう

 

今回の山行行程

ゴンドラの運行開始が8時なので朝一番のゴンドラで標高2240mにあるゴンドラ山頂駅まで上がる

スキー場駐車場が1680mなので560mを稼ぎ、そこからが登山道である

そこから3067mの剣ヶ峰山頂を目指し、ピストンで日帰りで降りてくる予定である

厳冬期ではないとは言えまだ雪は数メートル積もっておりアイゼンを装備しての雪山徒行となる

f:id:zel_8bit:20180701195203j:plain

f:id:zel_8bit:20180701195206j:plain

 

まさかのゴンドラの運行見合わせ

f:id:zel_8bit:20180701195517j:plain
車中泊して6時に目を覚ますと真っ青な空です!
雲一つありません!
こりゃ今日は期待できるぞ、とルンルン気分で歯を磨いて朝食を食べる
このスキー場駐車場1680mからゴンドラでゲレンデ最上の三笠の森ゴンドラ駅2240mまで10分
そこから3067mの御岳山山頂を目指します

f:id:zel_8bit:20180701195531j:plain

ゴンドラ始発の8時を待っていると7:45に驚愕のアナウンス
「強風の為ゴンドラの運行を見合わせます」
午後までには運行できる予定との事でスキーヤー達は余裕ですが、登山客は皆唖然としてます
すぐ運行再開されれば良いのだが、昼まで止まってたらもうその日の登山は無理になる

ちょっと悩んだけど、いつ再開されるかわからないゴンドラを待つのはやめ、このスキー場駐車場からゲレンドを登って行く事にしました

f:id:zel_8bit:20180701195548j:plain

ゴンドラ三笠の森駅まで約2kmのゲレンデ登りスタート
開始が8:10なので時間との戦いでもあります
14:00までに登頂できなかったらそれ以上登ると下山できなくなる恐れがある

14時がタイムリミット、無理ならそこで引き返そうと決めて登山開始!

f:id:zel_8bit:20180701195535j:plain

すぐに一面銀世界になったので早々にアイゼン着用です

履かないと滑ってとても登れません

余談ですが今回は6本爪の軽アイゼンと12本爪を両方積んできましたが12本爪で登る事にしました

やはり4月とは言え3000m級、完全に雪山です

f:id:zel_8bit:20180701195551j:plain

スキーヤーやボーダーの邪魔にならないようにゲレンデの隅っこを滝汗かきながら登ります

恋人同士が、笑顔でスキーを楽しむ側で、息を弾ませ汗だくになりながら一歩、また一歩とアイゼンを雪路に噛ませながら登るのは我ながらシュールな絵面だったと思います

f:id:zel_8bit:20180701195554j:plain

やっと三笠の森駅到着
1:30かかりました
本当はここがスタート地点だったはずなのに、すでに軽く一山登ったくらいの疲労です
しかしこれからが本番です

 

 

三笠の森駅~王滝

f:id:zel_8bit:20180701205407j:plain

樹林の中を10分ほど進む

雪が積もっていると道が分かりづらく単独だと迷う事もありそうなので注意だ

f:id:zel_8bit:20180701195558j:plain

田の原登山口
鳥居が半分くらい埋もれてる

雪の深さが分かる

f:id:zel_8bit:20180701195602j:plain

稀に見る日本晴れなので山頂までのコースがはっきり見渡せます

ここまで見通せる事もそうもありません

絶景です

f:id:zel_8bit:20180701195608j:plain

八合目

時刻は11:15
少し疲労を感じてきた
時間との戦いなのでここまでほぼ休憩なしで歩き続けてる

f:id:zel_8bit:20180701195612j:plain

パンを食べて体力回復を図る

人間不思議なもので何か食べるとすぐに元気が出てくる

そんな一瞬でエネルギー変換される訳ではないのにね

本当だったら甘いものの方がすぐにエネルギーになるのでそっちの方が体力回復には向いている

f:id:zel_8bit:20180701195624j:plain

ここからは森林限界になり、急勾配の吹きっ晒しになるのでストックを仕舞ってピッケルを装備

転落時に滑落を止める為の必須アイテムです

f:id:zel_8bit:20180701195633j:plain

ここからの登りがかなりキツかった

アイゼンが重いんだよね

履かなきゃ滑り落ちるから脱ぐ訳にはいかないけど

f:id:zel_8bit:20180701210850j:plain

時折突風で身体が持ってかれそうになる
この日は1人風に飛ばされて滑落して救助隊のお世話になった方が出たと後から聞いた
確かにすごい風でした

油断すると倒されそのまま斜面を滑り始めたらピッケルを上手に使えなければそのまま滑落してしまうだろう

f:id:zel_8bit:20180701195636j:plain

朝のゴンドラ運休で登山自体を諦めた登山客もかなり居たと思う
筆者のようにゲレンデから徒歩で登ってきた登山者達も、八合目以上の強風と下山までの時間的な問題で途中でリタイアして頂上を踏まず引き返していく人が多数
九合目時点では筆者も少し迷ってた
とりあえずこの時点で12:30

f:id:zel_8bit:20180701195640j:plain

頂上の剣ヶ峰まで1:30でたどり着けるか?
休みなしで強行すればギリギリどうにかなる時間だったので、体力にものを言わせて行けるところまで頑張って登ろうと登山続行

f:id:zel_8bit:20180701211639j:plain

王滝頂上
残すは最高峰剣ヶ峰のみ
時刻は13:20
残された時間は微妙だけどここまで来たら御岳山登頂しないで帰れないと思いペースアップ

剣ヶ峰~下山

f:id:zel_8bit:20180701195646j:plain

頂上目前
最後の難関八丁ダルミがキツい

疲れた脚にさらにダメージを与えてくる

f:id:zel_8bit:20180701195651j:plain

頂上の鳥居は辛うじて見えてる

厳冬期には完全に埋まるのであろう

f:id:zel_8bit:20180701195656j:plain

タイムリミットギリギリの丁度14:00に登頂です!!
やってやったぜ!超気持ちいい!

f:id:zel_8bit:20180701195701j:plain

かなり頑張りました

雪山なのに夏の参考コースタイムを上回るペースでの登頂です

f:id:zel_8bit:20180701195704j:plain

少しだけ景色を眺めて、写真撮影

f:id:zel_8bit:20180701195707j:plain

絶景を堪能して水分補給したらすぐ下山です
本当はもう少しゆっくり休みたかったんだけど、もしもゴンドラの運行が再開されてたら16:00が最終便
できれば三笠の森駅からはゴンドラで降りたかった
ゲレンデの隅っこ歩いてくのは面白く無い
14:20下山開始

f:id:zel_8bit:20180701195712j:plain

雪山の降りはペース上がる
足は疲れ切ってるけど雪のクッションで膝とかは快調でハイスピードでサクサク降りていく

f:id:zel_8bit:20180701195715j:plain

15:50田の原登山口通過
スキー場ゴンドラの最終便までラスト10分
すごい疲れてるけど気合いで歩く
ちょうど16:00三笠の森駅到着
ゴンドラはまだ動いてました
係員のおじちゃんに「お客さんで最後だよ〜」と言われる
本当に最後の客になった
もうふらふらです

本当に倒れそうでした

f:id:zel_8bit:20180701195719j:plain

スキー場駐車場まで10分
朝は1:30かけて登った距離なのに
素晴らしきかな文明の力

f:id:zel_8bit:20180701195727j:plain

無事下山
ほぼ夏期コースタイムで1680mから3067mの剣ヶ峰山頂までのピストン
大休止無しで8時間で登頂から下山までこなした
今回はかなり頑張った、キツい登山になりました
あまりの疲労に駐車場でぼけーっとコーラ飲みながら1時間かけて後片付け
帰路にあるみはらしの湯で温泉に入ってそのまま23:00頃帰宅
残雪期とは言え久々の積雪登山
単独行で怪我無く下山できて良かったです
怪我はないと言いましたが、日焼け止め持ってったのに塗るの忘れてました

その為ニットとサングラスより下の顔が酷い日焼けで真っ赤になり、火傷に近い症状になりました
皆さんも雪山で日焼け止めを忘れると、照り返しでとんでもない目に遭うので気をつけてください
それじゃ今回もお疲れさまでした!

 

おんたけ2240スキー場入山御嶽山攻略

強風の為かなり予定が狂いましたが、それでも晴天に恵まれ、なんとか頂を蹴破する事ができて良かったです

大きな怪我をする事もなく無事下山できた事を山の神様に感謝です

今回は『御嶽山攻略』レポの紹介でした

このサイトについて|プライバシーポリシー