【天気の子】これは── 僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語。【映画レビュー】

 

『天気の子』は2019年7月19日に公開となった新海誠監督によるアニメーション映画。

前作『君の名は。』から3年ぶりとなる、新海監督7作目の劇場用作品である。

現代の新宿を舞台に二人の少年と少女の出逢いと運命を描く、優しく不思議な物語である。

 

新海誠監督最新作 

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今や、世界的に注目されるアニメーション監督である新海誠。

叙情的な男女の物語を、美しい色彩と繊細な言葉で紡ぎ出す“新海ワールド”は、国内が多くの人々に支持され、生み出された作品は高く評価されてきた。

そして前作『君の名は。』から3年──。劇場用7作目となる、待望の最新作が、ついに始動する。

 

ストーリー

「あの光の中に、行ってみたかった」

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高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。

しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。

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彼のこれからを示唆するかの様に、連日降り続ける雨。

そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高はひとりの少女に出会う。

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ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らす少女・陽菜。

彼女には、不思議な能力があった。

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「ねぇ、今から晴れるよ。」

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少しずつ雨が止み、美しく光だす街並み。

それは祈るだけで、空を晴れにできる力だった──。

 

美しい映像美

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新海作品の魅力のひとつと言えばその繊細だけど力強く、些細なところまで描き込まれたその映像美だろう。

今作もその特徴は遺憾無く発揮されており、創り込まれた世界に惹き込まれる。

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壮大な太陽の恵みから、雨の雫ひとつに至るまで一切の妥協なく描かれた映像は、まさに息を呑む美しさだ。

 

純粋な恋心

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新海監督の作品のもうひとつの魅力は、少年と少女の純粋な恋心の表現である。

毎作品男女の叙情的な演出は、切なくも感動的であり観ている者の心を打つ。

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本作の二人はまだ16歳と18歳と若く、生活に追われている環境という事もあり、自分の気持ちが“恋”だと気付くのにも時間が掛かる。

しかし相手を大切に想うその心にきっと視聴者は涙するであろう。

 

遊び心も(ちょいネタバレ)

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物語の要所要所に盛り込まれている新海監督の“遊び心”にも注目。

ソフトバンクのCMでお馴染みの白戸家のお父さんが2回登場。

初代プリキュアのキュアブラックとキュアホワイトが登場。

前作『君の名は。』の立花瀧と宮水三葉と四葉なども登場する。

いずれもストーリーにはほぼ関与しないが、分かるとくすりと笑えるので是非気づいて欲しい。

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もうひとつ、陽菜の弟である天野凪のふたりのガールフレンドに関しても声優業界に詳しければニヤリとする事間違い無しだ。

 

感想

前作『君の名は。』があまりに素晴らしく歴史に残る名作となった為、今作の制作には新海監督をはじめ制作スタッフの方々はかなりプレッシャーがかかっていたのではないかと思います。

期待度が高いと、その分満足度のバーは高まるもので、今作は普通に面白いくらいでは高評価は得られないので期待と共に少し心配もしていました。

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しかし劇場で作品を観終わった時には、そんな心配など杞憂であった事を知りました。

『天気の子』は紛れもなく傑作であり、前作同様最高の感動をアニメファン、映画ファンに与えてくれます。

きっと新海監督にはプレッシャーなど無かったのだろうな…。

などと映画を観る前と後では考えが180度変わっていました(笑)。

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最初から新海ワールドに一気に引き込まれる本作ですが、特筆すべきは後半クライマックスに掛けてのたたみ掛けてくる様な圧倒的な演出。

アクションやセリフのひとつひとつが格好良く、まさに息を持つかせぬ展開に瞬きすら惜しむ様にスクリーンを凝視していました。

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魅力的な登場人物たちが織りなす、不思議で素敵な物語──。

この夏、ふたりの少年と少女が起こす“奇跡”を是非劇場でご覧ください。

今回は『天気の子』の紹介でした。

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