【ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-】僕の人生は何もない。もし、唯一すばらしいものがあるとすれば──。【映画レビュー】
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の劇場版として『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』が2019年9月6日より全国公開されました。
放送前からワールドツアーを行い、日本のみならず世界中で大きな反響を巻き起こした、アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。
外伝では代筆を通して人の心に触れる少女・ヴァイオレットと、新たな依頼主・イザベラとの物語が描かれる…。
監督:藤田春香
監修:石立太一
脚本:鈴木貴昭・浦畑達彦
原作:暁佳奈
ストーリー
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』予告
ヴァイオレット・エヴァーガーデンという少女との出会いが、
“ほどけて”しまうはずだった二人の未来を結び合わせてゆく……。
──お客様がお望みならどこでも駆けつけます。
自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンです。
これは、生きることに絶望していた少女が「永遠」を見つける物語。
「大切なものを守るのと引き換えに僕は、僕の未来を売り払ったんだ。」
妹を守るために、過去も未来も、名前さえも売り渡したイザベラ・ヨーク。
良家の子女のみが通うことを許される女学校。
しかし美しい花が咲き誇るこの場所も、イザベラにとっては「牢獄」そのものだった。
未来への希望や期待を失っていたイザベラの前に現れたのは、教育係として雇われたヴァイオレット・エヴァーガーデンだった。
その“美しい牢獄”の中で、ヴァイオレット・エヴァーガーデンと過ごす日々は彼女にとって泡沫の夢だった。
ヴァイオレットは仕事を終え、二人にに別れが近づく。
イザベラはかつて売り渡した「エイミー・バートレット」として、妹のために魔法の言葉を書き記した手紙をヴァイオレットに託す…。
そして月日は流れ、テイラー・バートレットがC.H郵便社を訪れる。
姉、エイミーからの手紙を携えて。
ヴァイオレットに助けられながら、テイラーが姉に宛てた手紙に書かれていたのは、姉妹を結ぶ魔法の言葉──。
主な登場人物
ヴァイオレット・エヴァーガーデン:石川由依
C.H郵便社で自動手記人形として代筆に従事している元少女兵士。
今回はイザベラのデビュタントを成功させる教育係として女学校にやってきた。
エイミーがテイラーを想う気持ち、テイラーがエイミーを想う気持ちを慮り、姉妹の絆が再び結ばれるように働きかけた。
イザベラ・ヨーク(エイミー・バートレット):寿美菜子
由緒あるヨーク家の娘。
以前の名前は「エイミー・バートレット」。
母が正妻では無かったため苦しい生活を強いられていたが、自分と同じ身寄りのないテイラーを拾い、妹として育てていた。
エイミーを跡取りとすべく迎えに来た父親と、テイラーを守るために「契約」を交わし、名前を捨て、「イザベラ・ヨーク」として生きている。
テイラー・バートレット:悠木碧
身寄りがなかったところをエイミーに拾われ、妹として育てられた。
エイミーが「イザベラ」となった後は、ドロッセル王国にある孤児院に預けられていた。
姉に会うことは許されず、エイミーからの手紙とクマのぬいぐるみだけが、姉妹を繋ぐものだった。
孤児院を抜け出し、ヴァイオレットを頼って幼い身ひとつでC.H郵便社を訪ねてくる。
しばらくの間、郵便配達人の見習いとしてC.H郵便社で働くことになり、ベネディクトを「師匠」として尊敬するようになる。
ベネディクト・ブルー:内山昂輝
C.H郵便社で郵便配達人として働いている。
特徴的なヒールのブーツを履いて、自動二輪車を乗り回している。
何かとヴァイオレットの世話を焼いていて、少々口調が荒いことがあるが、根は真面目で他人にも優しい。
テイラーからは「師匠」と尊敬されている。
クラウディア・ホッジンズ:子安武人
C.H郵便社の社長で元軍人。
終戦時に退役し、C.H郵便社を設立した。
過去に兵士だったヴァイオレットと会ったことがある。
終戦後ヴァイオレットを引き取ってからは、家族のように大切にしている。
感想
筆者はテレビアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を全て視聴済みであり、本作『劇場版 外伝』もとても期待して待っていました。
そして待ちに待った本作は期待を裏切らない、むしろ期待以上の感動を与えてくれた素晴らしい作品でした。
藤田春香監督によると元々『外伝』は映画ではなく、OVAという形で20分ほどのエクストラエピソードを2本制作するという企画だったとのことです。
そこで原作でまだ映像化していなかったエピソードを1本、そのエピソードを絡ませたものを1本の2本構成にするというアイディアを採用。
そこから構想はどんどん膨らんでいき、最終的には前半のイザベラの物語と後半のテイラーの物語とでサブ主人公が変わる形式の1本の映画として制作することになったそうです。
登場する全ての登場人物が優しく、それぞれの人生を一生懸命に生きている描写に目頭が熱くなり、そして自分の人生と照らし合わせ、鑑賞したお客さんも少し勇気を貰える。
筆者にとってはそのように感じることができたとても素敵な映画です。
最後に
制作会社である京都アニメーションでの痛ましい事件から、まだそう時は経っておりません。
なぜこのような素晴らしい作品を世に送り出しておられる方々が犠牲にならなければいけなかったのかと深いショックを受けました。
お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
本作を含め、京アニの作品には本当にたくさんの勇気と感動を頂きました。
これからもファンとして心から応援させて頂きます。
2020年には『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が予定されています。
本来1月10日公開でしたが、上記の事情により公開日は延期となりました。
それでもホームページでは鋭意制作中と仰られており、スタッフの皆様は頑張ってくださってます。
何ヶ月、何年掛かっても良いのでゆっくり、じっくり納得のゆく作品に仕上げてくれる事を願っています。
もちろん必ず劇場に足を運ぶつもりです。
今回は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』の紹介でした。